これは、とある時代の、架空の国のお話です――
何処かの村に住む、一家、マクレディ家。
かつては画家として名を馳せた一家の父・ジョナス＝マクレディは今や職も妻も失い酒に溺れる日々を送る男と化していた。その息子、イーサンはそんな彼を蔑み、後妻として迎えたドロシーとも上手く馴染めずにいた。
全てを投げやりに生きるイーサンだったが、そんな彼と出会ったのは同じ年齢程の不思議な魅力を纏わせた美少女・アリスだった。彼女はマクレディ家の付近にある広大な森にある庭にて、黒猫のナナイロと共にいつもここにいるのだと言う。イーサンはそんな彼女に惹かれ、淡い恋心にも似た気持ちを抱くようになるが住民によればそんな場所は存在せず、森自体が危険視され禁忌とみなされているという……。
​それでもイーサンはその森と、アリスに魅入られたよう、彼女の元へと足を運ぶようになるのだが――。