​売春宿やストリップバーなどの風俗店が軒を連ねる、

女達の絶望と男達の欲望が交差する歓楽街“サロ”。

汗と精液と、虚しさと欲望の入り混じった途方もない香りがするこの街の最果てに

位置するのは、財界のトップや官僚達しか立ち入れないという高級娼館『黒蜥蜴の館』。

行く当てもなく身を売る女達の身辺を護衛する役割を任された少年アンネは、娼館のトップである

スカーレットに拾われた身寄りのない境遇を抱えていた。

家族も親族もいないアンネにとって、スカーレットの命令は絶対の義務でもあり、

自分にとっての生きていくための大義ですらあった。

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そんなアンネであったが、紆余曲折の末に仲間であり最初で最後の最愛の人物となった

スミルノフを自らの手で殺めなくてはならなくなってしまう。

愛憎入り混じる感情の果てにスミルノフを粛清したアンネだったが、その瞬間から彼にとっての

正義とは何であるのか、そして自分は何の為にここにいるのか？

抱く事のなかった様々な感情に押し潰されそうになりながら、彼は仲間であるエリーと共に

街から逃げ出そうとする娼婦の少女と、それから計画を企てる者達の始末へと向かう事と​なる――。

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